眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「……御影さん、……なんで、ここに、」

「───、」



震える声を吐き出してすぐ、

御影さんの中で何かが弾けたように、体がきつく抱きしめられた。


服に沁みた雨がじわりと滲み出るほど、御影さんの腕の力が強い。



「銀が知らせに来たんだよ。みのりが消えたって」

「、…」




ああそっか、それで……私を逃がさないために。


鬼炎魔の秘密のため……に、




「みのり?」

「……」

「おい、みのりっ、」




そこで私の意識は完全に途絶え、



次に目が覚めたのは、




いつもの光景、いつもの六畳一間だった。