眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす





───逃げるべきなのはそっちだと思うけど?

───アァ!?テメ、やれるもんならやってみ、……グハッ





……いつのこと、だっけ。

私を助けてくれたのは、誰だっけ。




「っ……う、うぅ、頭、痛……」

「んだよ、この女まだ意識あんじゃねぇか」



バシン!───男からの平手打ちが頬に食らう。


痛みは感じないのに冷たい感触は異常なまでに肌に沁みて……

男が私の下着をずり上げようと手をかけたことに、今更体が震えた。



あのときは来てくれた。

誰かが助けに来てくれた。




ねえ、あれは誰、




「っ───、みのり!!」