な、に、……
ひと気のない路地裏で押し倒された挙句、見知らぬ男たちに囲まれているのこの状況。
もしかして、鬼炎魔に見つかったんじゃ……
御影さんで埋め尽くされていた頭の中が、一瞬で恐怖に塗り替えられて一気に体が冷えていく。
「へぇ、結構可愛いじゃん。ラッキー」
「お、マジか。ちょっと俺らと遊ぼうぜ」
だけど、違う、この感じ。
鬼炎魔じゃない、これはただのチンピラだ、…
可能な範囲で見渡せば、路地裏とあって一般の通行人なんて誰もいない。
そういえば最初は、こういう治安の悪い場所が暴走族の縄張りだと思ってたっけ。
現実は、全然違ったけど。
じゃあここに、白夜の人はきっと来ない。
助けを願ったって無意味だと悟り、それなら自分でどうにしなきゃと思うけど。
最悪なことに、頭を打ったせいか意識が朦朧とするのを感じて。
薄れかける意識の中で、男に服を捲り上げられるのがわかった。


