眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




もらったカードキーをかざし、鍵を開ける。


いつでも来ていいって言われたんだから、今だっていいはず。



大丈夫、事情を聞けばこのモヤモヤもすぐ消える。


だって何か訳があるはずだから。



絶対、私が納得できる理由があるはずだから。



会合前、御影さんと歩いた長い廊下のその先。



広いワンルームが見えてすぐ───






「、…」






私の足は、数秒前まで感じていた数百倍の胸の痛みと共に止まった。






御影さんが、小町さんのTシャツを脱がす姿が見えたから。