眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「銀、リク。みのりのこと少し頼む」

「はいっす!」



チラリとこちらを振り向いて告げたあと、御影さんはその人の腰に手を回し早々にエレベーターへ乗り込んだ。



なんで……

どういうこと……?


特別な人以外、入れない部屋じゃなかったの?



「みのりちゃん、少し座って待ってよう。何か飲む?」



傍に来た銀くんが私の肩に手を添えた。

だけど顔を上げられない。



「みのりちゃん?」

「、…」



だめだ、頭がぐちゃぐちゃで、……



「えっ、みのりちゃん、」



何も考えられなくて、私の足は本能のまま走りだし……


二人の後を追うように、最上階へ向かった。