眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「安心しな。その怪我、痕は残らねぇから」

「それは、誰が……」

「医者に決まってんだろ。抗争のときの怪我は警察沙汰になるからな、俺らをよく診てくれる闇医者がいんだよ」

「あの、……さっきからシマ争いとか、抗争とか、組織とか」



それって……FBIは冗談として、

現実的に考えるなら、暴走族とかの話、なんじゃ。


そして『俺らがシマ争いしてる』ってことは、この人も。

そういう組織の一員、ってこと?



「隠してもしょうがねぇか」



どこか気だるげな声で、男は淡々と言葉を続ける。



「『鬼炎魔(きえんま)』っつーのは藤堂リュージが率いてる俺らの敵で、『白夜(びゃくや)』ってのが俺が統括してるチーム」

「とう……かつ?」



え、それってまさか。

この男が、暴走族の『総長』ってこと?


つまり私は、この男にとって敵組織の秘密を知ってしまって狙われた。

それをこの男が助けて匿ってくれた?