眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




翌日。予定通り開かれた会合を、私はリクくんとソファーに座って傍聴していた。



「藤堂リュージに動きは」

「特にありません」

「テメェ見落としてんじゃねーのか!?」

「ああ!?んなミスすっかよ」



ひとたびガラの悪さが顔を出すと、それに続いて罵声が飛び交う。

そしてそれはいつも……



「黙れ」



御影さんのたった一言で、静まり返る。




「……相変わらず怖い」

「そうっすか?みんないい人たちっすよ」

「うん……」



会合前にリクくんを交え、少し話をした人もいる。


確かにみんな気さくでいい人たちだったから、言葉の威勢さえなければ私も素直にそう思えるんだろうけど……。



「あれ、もう終わるんだ」

「今日は早かったっすね」



全員が立ち上がって御影さんへ一礼をしたことで、会合の終了を知る。


御影さんは銀くんと少し話があるとかで、私は言われた通りリクくんと部屋を出て待つことにした。