眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす






───お母さん?





……これは、私の声?





───ねえ、どうしたの、お母さんっ!!





倒れているのは……この人は、私のお母さん?





───どうしよう、死んじゃう、お母さんがっ……救急車、





もしかしてこれ、お母さんが死んじゃう時の記憶……





───………ううん、呼ばなくていい。だってこのまま死んじゃったら……死んで……くれたら……、









───みのり?








「っ……!!」



誰かに名前を呼ばれた気がして、目が覚めた。

御影さんの声かと思ったけど、ベッドの中の御影さんはまだ眠り続けている。




「……なに、今の」




ただの夢……?

それにしては、リアルだった……




「、……大丈夫。夢だよ、きっと」




そう言い聞かせても少し怖くて、

この日は御影さんにしがみつくように眠った───