眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




この日、初めて眠ることなく最後まで御影さんと触れ合った。


荒い息と同時に私に倒れ込んだ御影さんの背中には、薄っすらと汗が滲んでいて。


それすら愛しいと感じた私は、その背中をぎゅっと抱いた。


それからはベッドの中で抱きしめられたまま、他愛ないお喋りをしていたけれど。


気づけば私は眠りの世界に落ちてしまったようで、今は声すらも届かない。



だけどきっと、御影さんも同じ。


私の隣でスヤスヤ寝息を立てているはず。


だからこのまま、心地よい夢を見ながら朝を迎える。





……そう、思っていたのに。