眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「……んぅ、」

「まだ寝るなよ」

「ひゃっ……」



耳元で囁かれてすぐ、御影さんの唇が首筋を焦らすように辿っていく。


シャツのボタンが上から四つ外されて、はだけた胸元へ唇が這う。


キャミソールの中に入り込んだ手が、優しく腰の辺りを撫でるから……


くすぐったいような気持ちいいような、言葉に出来ない刺激に首が縮まる。



「全部、脱がしてい?」

「え、と……」



私が躊躇っているうちに、自分の服に手をかけた御影さんがTシャツを一気に捲り上げてベッドの端に放った。


外見だけは王子様の上半身裸の姿は、前に一度見たことあるけど。


それでも直視なんて、出来るわけない。



「次はお前の番。はい、手あげて」

「、…」



もう何をされたって、抵抗なんて無理。


だから言われるがまま手をあげたら、キャミソールとシャツがまとめて頭からスポッと抜けた。



「ふ、素直」

「だ、だって」

「だって?」

「……なんでもない」



だって、私も御影さんに触れたいから。

御影さんに、もっと触れてほしいから。



だから神様、どうか今だけは。


今だけは私を、眠り姫にしないで───