「ごちそうさま」


19時。

副菜もキレイにたいらげた御影さんが、「美味かった、また作って」なんて言ってくれたから、今度こそしっかり浮かれてしまう。


けど。


『また』という言葉に、どうしても考えることがある。



「……あの、御影さん」

「ん?」

「これからのこと、なんですけど」

「これから?」



茶碗を台所に下げようと重ねている手が止まり、今日もキレイな碧眼が私を見た。



「私、もう怪我は治ったし、ここを出て行ったほうがいいです、よね?」