眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「御影さん」

「……?」



この間、御影さんに教えてもらったから。


キスだって少しは上手になったはず。


だから、もう見納めの、制服姿の御影さんの腕を軽く掴んで引き寄せて、



「、…!」



ありたっけの想いを込めて、キスを届けた。



「何度でも言う。私が好きなのは、御影さんだけ」

「……」

「記憶をなくしてもそれでも恋をしたくらいなんだから、御影さんしか見えてないよ」

「……」



今日もきれいな碧眼に、私が映っている。


吸い込まれそうなその瞳も、まるで私しか見えていないようで……



「これからはずっと一緒だよ。もう御影さんを1人にしない」

「……お前を置いて出てったのは俺だろ」

「でも、私を守るためだった」

「、…」



制服を掴んでいた手が絡み取られて、静かに持ち上げられたあと。


左手の薬指に、柔らかなキスが落とされた……