眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす







それから数週間、今日は御影さんの卒業式だ。


式を終えた3年生が集まる校庭を、私は1年生の教室……2階の窓から1人で眺めている。



御影さんはというと、女子生徒に写真をせがまれたり、男友達と談笑したり。


ラブレターらしきものをもらっている光景までバッチリ見える。



「王子様もいよいよ卒業だね」



声に振り向くと、銀くんがいた。


寝たきりで過ごしていた影響で、筋肉がまだ戻りきっていないから今は自宅療養中のはずなのに。



「銀くん、出てきて大丈夫なの?」

「家にこもっててもリハビリにならないから。ちょっとだけなら平気」

「そっか」

「あっ」

「…?」



窓の外を見た銀くんは、慌てるようにしゃがんで隠れた。



「どうしたの?」

「御影くん、今こっち見てた」

「えっ」

「みのりちゃんといるところ見られたら、すぐここに来ちゃうから」

「……来ちゃ、ダメなの?」

「そりゃあね、邪魔されたくないし」

「……」



それは、どういう意味で?