眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「……卒業とか、最悪だな」

「え?」



一旦顔を上げて私の体を抱きしめ直した御影さんは、今度は肩に寄り掛かるように身を委ねてきた。



「最悪って、なにが?」

「俺がいない学校で、銀、お前にやりたい放題するだろ」

「……銀くんのこと、警戒しすぎだよ」

「どの口がそれ言う?」

「あ……や、うん」



そうだった。


銀くんに色々された私がなにを言っても、説得力はないに等しい。



「でもほら、私が好きなのは御影さんだけだから」

「……」



おもむろに顔を上げた御影さんが、じっと見つめてくる。


今日もきれいな青い目が、なにを思っているのかと思えば。



「なら、今日はみのりからしてもらうか」

「してもらうって、なにを?」

「キス。と、それ以上のこと」

「……!」



御影さんの腕の中、聞こえた言葉に思わず身を離し硬直する。



「俺のことが好きなら、できるだろ?」