眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「みのり」



六畳一間の壁際で、御影さんがちょいちょいっと私を呼んだのは、足の間。



「こっち、来い」

「え、なんで?」

「抱きしめたい」

「……!」



ついさっき銀くんが目覚めたばかりで、まだ胸が一杯なのに。


帰って来た途端、なんでそんなこと……。


……全然、そんな空気でもそんな気分でもないんだけどな。



「急に、どうしたの」

「銀のやつ、やっぱお前のこと諦める気なさそーだったから。俺のだってしるし、これから毎日見えるとこにつけといたほうがいいだろ」

「なっ……」



それがなにを意味しているのか、理解した途端体が火照る。


一方の御影さんは、平然と言ってのけているからなんだか悔しい。



「だ、抱きしめたいなら御影さんが来ればいい」

「このやりとり、前もしなかったか? つーか、いーから来いって」

「でも」

「頼むから、とにかく抱きしめさせて」

「っ、……」