サイレンが聞こえてからは、慌ただしいようなスローモーションのような、歪んだ時空の中にいるみたいな時間が流れた。


駆け付けた警察に藤堂リュージは連行され、私と御影さんも事情を話すために同行。


銀くんは急ぎ救急車で運ばれて、意識不明の重体───命が危ないとの連絡を受けた。





暴走族という歪んだ世界の歪んだ絆は、とても(もろ)くてとても強い。



警察へ向かう車の中、赤い血に染まる手を眺めながらそんなことを漠然と思った───