眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「おい、銀。とっととやれ」

「、…」

「やれっつってんだろーがッ!!」

「、、、っ…」



拳銃を持った銀くんの手が、震えてる。


その手が動き、銃口がこちらに向けられて……



「……」



それでも御影さんは私を背に隠したまま、微動だにしない。



怖い……


引き金がいつ引かれるのか、その瞬間まで1秒残らず恐怖が襲う。



「いいか、ヘマするんじゃねえぞ。一発で心臓ぶち抜け」

「、…」



恐怖に怯える時間が、何秒くらいすぎただろう。


銀くんの震えが、空気に乗って伝わってくるのがわかった。



「銀、やれ」

「、…」

「銀ッ!!」

「、、……」



藤堂リュージの怒声に、銀くんは……





「、…………できません」





銃を下ろし、首から項垂れて呟いた。