眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




突然響いた声と共に、鬼炎魔の部下らしき人が血相変えてドアを押し開けた。


その直後───



「グハッ……」



数人の男たちが、次々と倒れる音が聞こえた。


その間から現れたのは……



「あれ、ずいぶん早かったね御影くん。もしかしてアジトの場所、バレてた?」

「みのりのスマホにつけてたGPS辿ってきただけだ」

「、…」



御影さんの顔を見た瞬間、わけもわからず涙が出てきた。


頭がぐちゃぐちゃで、思考がめちゃくちゃで……涙だけが唯一感情のように溢れ出てくる。