眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「おはよう、みのりちゃん」

「……!」



目が覚めてすぐ、視界の中で銀くんが私を見下ろしていた。


ベッドの脇に立ち、薄い笑みを浮かべながら、目に伝う涙を人差し指で拭ってくれている。



「怖い夢でも見た?」

「、…」



優しい手つきと冷たい笑みの矛盾が、恐怖を誘う。



……ここは、どこ?



「んー、っ……」



声を出そうとして、それが叶わないことに気づいた。


見覚えのない部屋の中で手足を拘束されていて、身動きひとつとれない。



「ああ、ごめんね。苦しかった?」



銀くんが私に馬乗りになって、ビリっと剥がしたのはガムテープ。

ひりっと痛みが走ったあと、口が解放されて楽になる。



「……銀くん、どういうこと」



ハッキリと覚えている。

銀くんが、私を眠らせたこと。



「ここは……どこ、なの?」

「鬼炎魔のアジト、って言えばわかるかな」



「、…」



鬼炎、魔……?



銀くんの言葉に鈍器に殴られたような衝撃を受けて、思考が停止した。


だって、ここが鬼炎魔のアジトだとしたら、



──────銀くんは。