「ふぅー……クリスマスの混雑、すごかったですね」

「ケーキ買うだけでどんだけ体力使わせんだよ……」

「あはは、でも楽しかった」



混雑するショッピングモールでケーキとお惣菜を買って、六畳一間に帰った時刻は19時半。


すぐにパーティーの用意をしようと、買ってきたものを袋から出す。



───はずだったのに。



「みのり」

「……!」



肩を掴んだ御影さんの手が、私を強引に振り向かせて……


まだ冷えたままの唇が、押し付けられた。



「んっ、……待っ……」

「無理。待ってやれない」

「、…」



低く囁かれた声に返事をする暇も与えられない。


まだ私はそんな気分じゃないのに。


なのに冷たい唇が徐々に熱を持つみたいに、私の体もどんどん熱くなっていって……



何度も違う触れ方で、何度も私の心に火を点ける。


拒むどころか受け入れる私は、もう御影さんで一杯で。



「ん、ぅ……」

「みのり、キスに弱すぎ」

「……だっ、て」



私が弱いんじゃない。


御影さんのキスが、上手すぎるんだよ。