全てを悟って、自由に逃げられない体を恨みかけたとき、 「あー……まじでお前といると、よく眠れるんだよな」 「え?」 「…………」 なにも聞こえなくなった静けさに耳を澄ませると、顔の横から一定のリズムの寝息が聞こえてきた。 「え、ね、寝たんですか……?」 「…………」 「ほんとに寝てる……」 『寝る』は、私が想像した邪(よこしま)な意味じゃなかったことに一安心。 ……したところで。 すぅすぅと聞こえる寝息が妙に心地よくて、なんだか私も瞼が重くなってくる。