「まじで買ってもらうからな、プレゼント」
「いつもお世話になってるし、任せてください。……って、親のお金からで申し訳ないですけど」
「お前が生きてくための金で買ってくれんなら、こっちが申し訳ねーわ」
お店に入ったあとはあれがいいこれがいいって言い合って、2人でマフラーを選んでいく。
一緒にショッピングなんてすごくデートっぽくて、鏡に映る2人を見てにやけちゃう。
サングラスを掛けて笑い合ったり、帽子を被って見せ合ったり。
クリスマスのこんな2人は、きっと誰が見たって恋人同士のデートでしかないから。
いいのかな。
御影さんも、同じ気持ちでいてくれてるって思っても。
違ったとしても、今日は特別。
だってクリスマスだから。
このまま、甘い期待に胸を膨らませていたい。
だから、サンタさんお願い。
今日はなにも思い出さない、眠り姫も訪れない夜にしてください。


