眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




秘密に興味がないのに優しくしてくれるのは、どうしてなのか。


少しの期待が自分の中で膨れる。



だけど答えを聞くのが怖い。


だって勝手に期待して、もし望む答えと違ったら……



それならこのまま、自分勝手に期待しているほうがきっと楽。


───なのに。



「……じゃあ、どうして私に、優しくしてくれるんですか」



傷つくかもしれない道に自ら足を踏み入れる。


恋ってきっと、そういうものだから。



「別に、優しくしてるつもりねーけど」

「うそ、御影さんは優しいです」

「銀だってお前に優しいんじゃねーの」

「それは……そうだけど」

「へえ。そうなのかよ」

「……っ」



話の行方が、脇道に逸れている。


どうにか戻そうと口を開きかけたけど、頭を埋め尽くしていた恐怖に脳が耐えられなかったのか……



「……う、ダメだ、眠い」

「ん、寝ろ」



会話のために少しだけ離れていた距離だったけど。


御影さんがぶっきらぼうに私の頭を胸に誘導して、そこにもたれたまま瞼を閉じる。



そのあとは頭を優しくぽんぽん撫でられて、


ぶっきらぼうなのに優しい、相反する二つの行動に挟まれた直後───



意識はプツリと途切れた。