「私だって、喋らないのは耐えられない、けど……」
「けど?」
「御影さんが他の女の人に触ったって、思ったら……すごく、…………やだ」
「……」
膝を抱えながら零した本音に、ふ、と鼻で笑う気配。
カアっと恥ずかしくなって、プイっとそっぽを向いた。
「やっぱ嫉妬じゃん」
「ちがっ……」
「違わねーだろ。つーかなにそれ、すげー可愛い」
「、…」
上機嫌な声が、六畳一間の空気を変える。
静まり返っていた空間が、完全に御影さんのペースに飲み込まれる空気。
余裕たっぷりな顔で口角を上げる御影さんは、壁際で体をこちらに向けた。
「すげー抱きしめたくなった。こっち来い」
「え……」
「早く」
「だ、抱きしめたいなら御影さんが来ればいい」
「みのりが来んのを抱きしめるのがいーんだよ」
「なにそれ、わがまま!」
「来ないとしてやんねーぞ」
「……!」
悔しいけど、逆らえない。
だって、私も……
私も今すぐ御影さんに、抱きしめてほしいから。


