眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




なんで……どうして私が、こんな目に……




突きつけられた現実が重すぎて、気づけば涙が滲んでいた。

それを拭うことも出来ず、せめて鼻をすすったとき。




「心配すんな」




言葉と共に、男の手がまた私へ伸びてくるのが見えた。


その手は迷いなく、私の頭に優しく触れる。




「あんたのことは、俺が守る」






まも、る……?





「そのためなら命くらい、いくらでも懸けてやる」




「、…」




まるで当たり前のことのように。

そうするのが当然だとでも言うように。


男は私に告げて、ふっ、と()んだ。


その笑みがあまりにもキレイで、言葉もなくまた見とれてしまう。