眠れない総長は眠り姫を甘く惑わす




「熱、下がったみたいだね」

「……!」



ギシっとベッドが軋んだのは、銀くんが座り込んだから。

体温を確かめるために額に触れた手が、なんだかとても優しい。


……体も心も弱ってるから、そんなふうに思うのかな。



「ここ、最上階じゃないよね?」

「うん、みのりちゃんエレベーターの中で倒れちゃったから、この空き部屋に運んだんだ」



そっか、銀くんは最上階の部屋には入れないから。



「ごめんね、たくさん迷惑かけちゃって」

「それは大丈夫だけど。……みのりちゃん、もしかして昨日のことなにも覚えてない?」

「昨日のことって?」

「いや、覚えてないならいいんだ」

「……?」



いつもみたいに柔らかく笑って、銀くんはベッドから立ち上がった。



「じゃあ僕は学校行ってくるけど、みのりちゃんはゆっくり休んでて。食べ物と飲み物、冷蔵庫に色々入ってるから」

「うん、ありがとう」