凛音の家に寄って勉強したり、話したりしてから自分の家に帰る…


探偵小説の内容、探偵の性格や謎の解き方、トリックの深さ、犯人の動機の設定、全体の構成に至るまでいろんな話をした。


凛音のおかげであまり詳しくなかった推理の世界にどっぷりハマり、いつも2人でいるとあっという間に時間が過ぎていった。


普段は冷静で大人しめな凛音も、その時は楽しそうに話し込む。


眼鏡っ子の凛音の優しい笑顔…


きっと学校でも見せたことのない顔を、私だけが見てるんだろうなって…


そんな時間が、私は大好きだったんだ。


中学も高校も…


頭の良さと格式の違いに、もちろん同じところには行けなかったけど…


それでも、私達は当たり前のように一緒にいた。


だからお互い…彼氏、彼女はいなくて…


私が保育士になってからは別々の時間も少し増えたけど、それでも、凛音は女性にあまり興味がないのか…今も彼女はいないみたいだった。