またこの季節が来た。

保健室から見える景色は変わらず。私の心も変わってはいなかった。


桜「(あ~あ、サクラはあんなに綺麗なのに……私はちっとも綺麗じゃない。)」


まぁ、仕方ないか。と微笑み机に突っ伏した。


その時ちょうど始業式から戻った先生が桜に手紙を渡した。

先生「桜ちゃん。これあなたのクラス表ね。」

桜「は~い。」


気だるげに受け取った。そもそも去年から一度も行っていないため、今更ながらにクラスメイトの名前は覚えていないのだ。


桜「あっ、圭太いるじゃん」

圭太とは双子の弟だ。小さい頃はよく後ろを付いていた弟だったが中学を過ぎた頃から身長が伸び可愛いよりかっこよくなってしまった。

先生「私、明日から一週間出張で居ないから、保健室は任せるわね。」

桜「分かりました。」

よく出張で居なくなる先生。その代わりと言っては何だが私がよく保健室の留守を任される。
一年以上保健室登校を続けていたら手当てのしかたなど覚えてしまった。



そのあと先生は会議に行き私はまた外を見ていた。

桜「……また、一年が始まるんだ…」