時計を確認すると、真夜中の十二時を越えていた。
 キャロルはわなわなと震える。

「いつの間に、二夜目になっていましたの!?」
「立てこもるのに全力で気づかなかったんだろうね。君がどこか遠くへ行ってしまわなくて良かった。受け取ってくれてありがとう、お姫様」

 レオンはキャロルの手をとって指先に口づけた。

 断固としてレオンから薔薇を受け取らないというキャロルの信念は、二夜目にして打ち砕かれてしまったのだった。