「愚かな妹よ、今さら十二夜から離脱しようなんて許されると思ったか! お前にはぜったいに王太子と結婚してもらうからな!! これでシザーリオ公爵家は安泰だ!!!」

 セバスティアンは、否が応でもキャロルとレオンの結婚式典を推し進めるつもりのようだ。キャロルは子猫のように唸った。

「セバスお兄様のいじわる! 冷血漢! レオン様のお幸せを願わないなんて、それでも親友ですの。そんな風に陰険だから、三ケタ止まりですのよ!」
「だから、三ケタって何の数字だ! 意味が分からないのに心が傷つくのはなぜだ!!」
「それは、お兄様の心が弱っちいからですわ! このヘタレ! 根性無し!!」
「止めろーーーー!」
「二人とも、落ち着いて」