王城から離れたこの通りでキャロルを見つけたということは、騎士団の見回りはだいぶ前から行われていたはず。兄の報せを聞いてから馬を走らせていたら、とうていキャロルは捕まえられなかっただろう。

 やはり、これは偶然の出会いだ。

(しあわせ結婚計画書については、まだ知られていないようですわね。先ほどの言葉も、たまたま出たものだったのでしょう)

 ほっとしつつハムチーズを平らげたキャロルは、フルーツミックスに手を付けた。すると、レオンの視線が、クレープをつかむ右手に落ちた。