セバスティアンが乱暴にカーテンを開けると、窓の向こうに白んだ空が見える。もうすぐ朝日がのぼる時間だ。
 キャロルは一睡もしていないが、コルセット締めの大ベテランに起こされるまで満腹で眠っていたのでピンピンしている。

「わたくしの心には、すでに燦々と朝日が輝いておりますわ。この完璧な計画のおかげで!」

 キャロルは、セバスティアンの鼻先に『レオン様のしあわせ結婚計画書 ver.1』を突き出した。

「これを実行していくことで、確実に・素早く・安全に、わたくしとレオン様の十二夜をなかったことにできます」
「まだ諦めていなかったのか、お前……」