レオンが言うならばと、キャロルは素直に目を閉じた。振動に酔って、胃のなかのものをご披露してしまう事態は、何よりも避けたかったのだ。
 運んでくれるレオンの腕は頼もしく、ほとんど振動らしい振動はなくて、またうつらうつらとしてしまう。

 やがて、キイと蝶番が空く音がして、座ったレオンの膝にのせられると、ガタガタと激しい揺れに襲われた。
 何が起きているのだろう。

「??? レオン様、急に揺れはじめたようなのですが……目を開けてもよろしいですか?」