幾重にも折り重なったスカートは花びらをまとっているかのよう。
 あしらわれたレースは白く、ポイントに付けられた宝石は控えめで、身につけたキャロルを清楚に彩っている。

 花のオイルをもみこんで編んだ髪には、宝石を飾ったティアラがさし込まれる。
 手袋をはめられ、首には豪華なネックレスを付けられ、同時に肌には真珠の粉を叩き込まれて、唇にはほんのり赤いルージュを塗られる。

 多数の手によって、キャロルはあっという間に『お菓子をたらふく食べて寝入った少女』から、『王太子の結婚相手』へと変貌していた。
 特にすごいのはお腹だ。一輪刺しの花瓶のように細くなっている。