「困ったな。キャロルへの想いを込めたら長くなってしまう。基本のダーリンとハニーに、オリジナリティをくわえていこうか」
「そういたしましょう。ダーリンとレオン様を合体させて、さらに略して『ダーレオ様』ではいかがでしょう?」
「いいよ。俺は『マイハニーキャロル』と呼ぼうかな。お菓子の名前みたいだね」

 額をくっつけて呼び合っていると、ティーセットを運んで来たセバスティアンが、しかめっ面をした。

「いちゃいちゃするなと言ったはずだ」
「お互いの呼び名を決めていただけだよ」
「はい。レオン様は、ダーリンなレオン様で、ダーレオ様。わたくしは、マイハニーキャロルですわ。お兄様、お見知りおきを」
「お笑いコンビか」

 痛烈なツッコミが入ったが、幸せいっぱいの二人には届かず、しばらくこの呼び名を使い続けるという悲劇が生まれたのだった。