甘いお菓子で満たされて、幸せな眠りについていたキャロルは、ウエスト辺りに圧迫感を覚えて目を覚ました。

「はっ」

 うつぶせに横たわるキャロルの周りでは、お仕着せの女性達が忙しそうにしていた。
 その中でも、一番腕っぷしが強そうな壮年の女性が、キャロルに巻きつけられたコルセットから伸びる紐をひっぱっている。

「あ……あなたたち、一体なにをしていらっしゃるの?」
「お着替えのお手伝いでございます、王太子妃殿下」
「わたくし、婚約破棄したので王太子妃にはなりませ――ぐええっ」