レオンが作った花冠は形が悪かった。手先は器用な方だが、花冠づくりはこれが初めて。あきらめて捨てようとしたら、キャロルに頭を突き出された。
「わたくし、レオン様の花冠ならば、なんだってほしいです」
「キャロルがそう言うのなら……。どうぞ、お姫様」
花冠をのせてもらったキャロルは、キャッキャと喜んだ。
決して美しくはないのに、飛んできた白い蝶々とパトリックに「レオン様が作ってくださった冠ですのよ」と自慢している。
(セバスティアンが結婚しないのは、キャロルのためなんだよ)
若くして爵位を継いだシザーリオ公爵の結婚は、政略に満ちた由々しきものとなる。妹が王太子妃候補になっているせいで。
王家とのつながりが欲しい有力者たちは、手を出せないキャロルではなく、セバスティアンを狙っている。いつも素っ気なくあしらっているが、色仕掛けや金がらみのスキャンダルに巻き込まれそうになったことも数知れない。
「わたくし、レオン様の花冠ならば、なんだってほしいです」
「キャロルがそう言うのなら……。どうぞ、お姫様」
花冠をのせてもらったキャロルは、キャッキャと喜んだ。
決して美しくはないのに、飛んできた白い蝶々とパトリックに「レオン様が作ってくださった冠ですのよ」と自慢している。
(セバスティアンが結婚しないのは、キャロルのためなんだよ)
若くして爵位を継いだシザーリオ公爵の結婚は、政略に満ちた由々しきものとなる。妹が王太子妃候補になっているせいで。
王家とのつながりが欲しい有力者たちは、手を出せないキャロルではなく、セバスティアンを狙っている。いつも素っ気なくあしらっているが、色仕掛けや金がらみのスキャンダルに巻き込まれそうになったことも数知れない。



