シザーリオ公爵家は豊かだ。他の貴族の世話にならなくても、跡継ぎさえいれば家を維持できる。公爵家にとって利のある縁談は、娘が王太子に嫁いで未来の国母になるくらいのものだ。
逆に考えれば、公爵家より低い爵位しかない貴族は、セバスティアンとの結婚は強いつながりを得られる好機。
レオンが声をかければ、向こうから大挙して押しよせてきてもおかしくない。
「セバスお兄様が政略的に利用されてしまうのは、嫌ですわ……」
「キャロルは良い子だね。君を俺に差し出したセバスティアンとは大違いだ」
レオンは、キャロルの頭を撫でてあげた。うれしそうに笑った彼女は、お礼にと作ったばかりの花冠をレオンの頭にのせてくれる。
「お似合いですわ、レオン様! お花の国の王子様みたいです」
「キャロルもお花の国のお姫様にしてあげたいけど……これだとちょっとね」
逆に考えれば、公爵家より低い爵位しかない貴族は、セバスティアンとの結婚は強いつながりを得られる好機。
レオンが声をかければ、向こうから大挙して押しよせてきてもおかしくない。
「セバスお兄様が政略的に利用されてしまうのは、嫌ですわ……」
「キャロルは良い子だね。君を俺に差し出したセバスティアンとは大違いだ」
レオンは、キャロルの頭を撫でてあげた。うれしそうに笑った彼女は、お礼にと作ったばかりの花冠をレオンの頭にのせてくれる。
「お似合いですわ、レオン様! お花の国の王子様みたいです」
「キャロルもお花の国のお姫様にしてあげたいけど……これだとちょっとね」



