「ご無礼を承知で離席させていただきます、王妃殿下」
「今度は、キャロルちゃんも入れて、三人でお茶をしましょうね」

 温室を出たレオンは、大急ぎで王太子の仕事を片づけ、国王の元へ向かった。

 それから一カ月ほどかけてキャロルへの熱い想いを訴えていき、ついには十二夜の再開が認められた。
 どうして認めたのか尋ねた侍従に、国王はこう答えた。

「認めなければ息子は誘拐犯になる……確実に」

 疲れた様子で吐露する国王に、侍従は心から同情したという。