「追っ手の騎士だ! 浮き輪を確保して、積み荷の爆薬に火をつけな。こんな船に用はない。全部沈めちまえ!!」
「「「おう!!!」」」

 窃盗団の男たちは、爆薬があるはずの木箱を開けたが……。

「頭領、爆薬がないぜ? 羽根帽子にかわってらあ」
「は? もっとよく探しな!!」
「こっちは、古着のドレスになってるぜ! どうなってんだ!!」
「そんなわけないだろ。アタシによく見せてみな!!!」

 ニナは、木箱に頭をつっこんで帽子を脇によけていったが、爆薬は一つも入っていなかった。ドレスの方も引っ張り出したが、こちらも外れだ。

「全部なくなってる……! だが、たしかにアタシらが爆薬を入れた箱だ。蓋に書かれた数字から分かる。誰かが港で、中身を入れ替えやがった!!」
「わたくしですわ」