「パトリック。キャロルはどうした?」

 舌を出して息を荒くしていたパトリックは、首をそらせた。
 首輪の金具に、キャロルの指輪が引っかかっている。彼女のことだから、形見代わりに自分の元へ届けさせようとしたのだろう。

 キャロルは、まだ生きている。

「俺を連れて行ってくれ。キャロルの元へ」