そうこうしている間に、騎士団の大隊がやってきた。
 道の修復を命じて、いまだ動揺している栗毛の首を撫でてやり、困っていたセバスティアンにも一声かけた。

「他にも爆破されている箇所があるに違いない。こんなに怯えている馬を走らせては可哀想だ。キャロルは俺だけで追うよ」
「致し方ない……。妹をたのむ」

 頭を下げるセバスティアンに頷き、レオンは再び手綱を振り下ろした。
 走り出した白馬は、地面をえぐる大穴を、高く飛び越えた。

 荷馬車はだいぶ先へ進んでいるはずだ。こうしている間に、キャロルが乱暴されていたらと思うと、気が気ではなかった。

 大穴は、他にも三箇所空いていて、そのたびに白馬に飛び越えさせる。
 長い距離を走らせたせいで、足どりは重くなっていく。