場所を移して、レオン、セバスティアン、キャロルの三人で昼食をとった。
 白身魚のエチュベをメインに、サラダやスープ、ドルチェのコース料理を味わいながら、久しぶりにゆったりと語らう。

 セバスティアンと話しているときのレオンには、少年じみた気安さがのぞく。
 普段の王子様めいた態度も素敵だが、こういう表情をみてしまうと、キャロルはもっともっとレオンと仲良くなりたいと思う。

(いつか、セバスお兄様にするみたいに、わたくしにも接していただけるように)

 王太子の責務や仕事で忙しいレオンの安らぎになること。
 それが、王太子妃になった後の第一目標だ。

「――それじゃあ、キャロル。俺たちはこれで」

 レオンとセバスティアンが同時に席を立ったので、キャロルは困惑する。