「ひどい妹だな、お前は!!!!」

 愚痴をこぼしつつ、セバスティアンは縄を解いてくれた。
 自由になったキャロルは、ドレスをつまみ上げてレオンにお辞儀する。

「お見苦しいところをお見せしました。レオン様にお怪我を負わせたお詫びは、別の形でさせていただきます」
「それなんだけど……」

 顎に手を当てたレオンは、キャロルの耳元に囁いた。

「俺の『好き』と言った回数を、教えてもらえないかな?」
「えっ!?」

 まさか、レオンの方から尋ねられるとは。
 キャロルは、彼の頭上を見上げた。
 燦然と輝く『∞』の字。その多くは、キャロルに向けての好意が占める。