セバスを諫めるレオンの声を聞きながら、キャロルは柱時計を確認した。
 もう夕方だ。

「レオン様。明日には、結婚式典の第一夜が始まってしまいますわ。お相手にご連絡して、早めにお休みになりませんと」
「そうだね。どうしようかな……」

 レオンは、顎に手を当てて一考したあと、ピンと来た顔でキャロルを見下ろした。

「考えたら緊張してきてしまった。キャロル、少しの間、話相手になってもらえないかな。まだお茶の時間を取っていないだろう?」
「ええ。わたくしでよろしければ、ご一緒いたします」
「では、行こうか」

 レオンに連れられてキャロルは王城へ向かうことになった。