「眠るまえのお祈りの時間に、レオンさまにふさわしいお妃になれますように、と神様にお願いしたけれど……」
「それは関係ないと思います。急に見えるようになったなら、急に見えなくなるかもしれません。今は、十二夜に集中なさってください。王太子妃になられたあとで、原因を探していきましょう。私もお手伝い致しますわ」
「ありがとう、タリア」

「その、つかぬことをお聞きしますが……」

 タリアは、言いにくそうに切り出した。

「私の『好き』と言った回数は、どのくらいなのでしょう?」

 どうやら自分の数字が気になって仕方なかったようだ。
 キャロルは、タリアの頭上に目を凝らした。