レオンは、キャロルを抱きしめて、涙がたまった大きな瞳に笑いかけた。

「これからはキャロル自身をもらうから。宝物みたいに俺のそばにいてほしい。小部屋に入りきらないくらい、たくさん愛し合えたら、成績表は燃やしてもいいよ」
「ぐすん。はい、承知しました……」
「では、これはしまっておくね」

 上手くなだめすかされて、小部屋を出た。
 再びレオンの膝に座らされて、髪のうえにキスを贈られながら、キャロルは思う。

(レオンさまには、かないませんわ)