「わたくしグッズ、とは」
「庭に落としていったリボンとか、家庭教師の日誌とか、もろもろだよ。こういうのもある」
「そっ、それは!」

 棚の引き出しから取り出されたのは、キャロルの成績表の写しだった。
 レオンにふさわしい婚約者になるために必死に勉強してきたが、はじめのうちは優秀とはいいがたい成績をとっていた。
 それを、全てレオンに知られていたらしい。

 恥ずかしくなったキャロルは、手を伸ばして成績表を奪いとろうとする。

「渡してください! 燃やし尽くします!」
「だーめ。これは、キャロルが俺のために頑張ってくれた証だよ。俺の宝物なんだ」
「宝物にするなら、もっと記念になるような物をお渡しします!!」
「記念品はいらないよ」