【コミカライズ】結婚前日に「好き」と言った回数が見えるようになったので、王太子妃にはなりません!

「ここに何があるのですか?」
「十二夜の薔薇。一度ここに安置してから持って行くようにしているんだ」

 丸いサイドテーブルに手を伸ばして、一輪刺しから薔薇をとったレオンは、キャロルに差し出した。

「エイルティーク王国の薔薇にかけて、あなたに九夜目の『尊敬』を捧げます」
「ありがとうございます。お受けします」

 受け取ったキャロルは、両手でつまんで胸元に抱いた。
 みずみずしい茎から、優しいレオンの気持ちが伝わってくるようだ。

「嬉しいです。これが、レオンさまの想いなのですね」
「俺の気持ちはさらに強烈だよ。目にする覚悟はいい?」
「はい。レオンさまの想いを、この目で知りたいです」