『好き』と言った回数が見えるという秘密を抱えていたときより、明るみにして謝った今の方が好きで好きでたまらない。
 この気持ちを隠して生活するのは困難なので、いっそ本人にぶつけようと思って寝室を訪ねたのだ。

 キャロルは、シーツに置かれたレオンの手に、自分の手を重ねた。

「レオンさまに、わたくしのことをもっと知っていただきたくて参りました。レオンさまは、わたくしをお姫様と呼んでくださいますが、本当はただの女の子なのです。レオンさまが他の女性を大切にしていらしたら嫉妬しますし、背中を向けて去ってしまわれると寂しいです。切なさのあまり、泣いたりもいたします」

 やきもち焼きの素顔を見せたら、重いと思われるかもしれない。
 けれどキャロルは、レオンに自分の欠点までも受け入れてほしかった。

「レオンさまは、わたくしをお行儀よくて慎ましやかな公爵令嬢とお思いでしょうけれど、すごくお転婆なのです。……お嫌いになられましたか?」